遅刻&未完成ですが参加させて頂きます。
昨夜うとうとしながら書いたので、後で消したくなるかも知れません。
薄目で読んで頂けると幸いです。
└追記しました

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お題『なぞる手つきの温かさ』

「ただーいま」
「おかえりなさ……え?カカシさん、どうしたんですか?その格好」

帰宅したカカシが台所に来る気配がして、鍋から視線を上げたイルカは、外出した時と違う服装のカカシに声を掛けた。
外出した時は通常の忍服と口布で出かけたカカシが、口布の代わりにチャックが胸元から鼻の頭まである茶色のインナーを着て、その上に忍服のベストみたいに胸に沢山ポケットがある黒いパーカーを着て帰ってきた。

「今日はね、子供達と今度新しく出る服のスチール撮影だったの」
「サクラが前から楽しみ〜って騒いでたやつですよね?えっ?撮影した時の服のまま帰ってきちゃったんですか?」
「撮影終わった後にくれたんだよー、宣伝にもなるから着て帰って欲しいって。」
手にした紙袋の中の忍服を見せながら、困った顔で恥ずかしそうに眉を下げている。
「そうでしたか、お疲れ様でした」

ん、と返事をしながらチャックを下げたカカシの鼻の頭にはチャックの跡がついている。
「どう?この服似合う?」
「素顔のカカシさんが一番素敵ですよ」
イルカがチャックの跡を指でなぞると、カカシがくすぐったそうに笑った。
イルカはファッションに疎いし、ファッション雑誌も買わないし、今流行ってる服も知らない。
休日も動きやすい忍服で出掛けることが多いし、インナーや忍服はストックとして多めに持っていたが、私服は数着しか持っていなかった。
どうやら今年、木の葉ではストリート系が流行るらしい。

◇◇◇

先に風呂に入りベッドに潜り込んだイルカは、かすかに聞こえてくるシャワーの音を聞きながらカカシの口布のことを考えていた。

寝る時に抱き枕やぬいぐるみを抱いて寝たり、毛布や布団を口元に掛けて寝る人は甘えん坊だと聞いたことがある。

ずっと口布してるカカシさんて…ものすごく甘えん坊なのかな……
いや元暗部の名残だろ……

布団の中でカカシが風呂から出てくるのを待ちながらうつらうつらしていると、ようやく風呂からあがったカカシがベッドに潜り込んで来た。

イルカの背中にくっついて腕を回し、首筋にチャックの跡が消えた鼻をこすりつけてくる。
「…ね、せんせ?もう寝ちゃったの?」
「ぐーぐー」
「ふはっ、寝ちゃってるね」
「ぐーぐー……起きてると何かいいことありますか?」
回した腕がイルカの股間に伸ばされる。
誘うように手がゆるゆると動いて気持ちいいと思いながら、眠気で回らない頭で抱き枕は俺かぁ……やっぱりカカシさんは甘えん坊だ……なんて思っていると甘い声が囁く。
「ね、せんせ…まだ寝ないで…」

向かい合う様にイルカが寝返りを打つと、ぎしり…とベッドが音を立てた。
カカシの目に性欲の熱がちろちろと燃えているのを認めると、イルカはカカシの尻の割れ目に指を這わすようになぞらせた。

「今日は…ずいぶん長湯でしたね……中まで綺麗にしてたんですか?」

抱かれたい日だけ長湯だなんて、なんだかえっちですね。
耳元で囁くとカカシがぴくりと反応した。
カカシが温かくて大きくて気持ち良いと言ってくれる手で頭を優しく撫でながら、もう片方の手では煽るように尻を撫でさする。
カカシさんが俺に抱かれたがる時は、決まって何か不安な事があった時だ。

俺はもうカカシさんじゃないと勃たないのに、女性と呑んでいた所を見て勝手に「やっぱりイルカ先生は女の人が良いんだ……」と思い悩んだり(歓送迎会だよ!俺以外の人間も視界に入れろよ!)、
一緒に買い物に出掛けた時、少し離れた所に居た赤ん坊を抱いた夫婦を、じっと俺が見ていたのを「本当はイルカ先生、子供が欲しいんでしょ……でもゴメン、別れてあげられない」って苦しそうに抱きしめられたり(元教え子に気付いて、でっかくなったんだなぁ……!自分も年取るはずだ!ってしみじみ見てただけだよ!)。
その度に、イルカが女の人を本当は抱きたいんじゃないかって勝手に思い込んで、でも手放してあげられないから抱くならオレを抱いて……と身体を開くカカシになんと言えば安心させてあげられるのだろう。
カカシに抱かれるのが好きなのに。
カカシだから身体を許しているのに。
本当はアンタだって、俺に抱かれるより俺を抱く方が好きなくせに。
今日はいったいどんな勘違いをしているんだろう?
甘えるようにイルカの首筋に顔を擦りつけて、俺に身体の奥を揺さぶられて、慣れてないから苦しい筈なのに幸せそうに目元を赤く染めて俺を繋ぎ止められると思ってるなんて……。
俺がモテるなんて勘違いしてる奴なんてアンタだけだ。
アンタみたいな拗らせた甘え方をしてくる奴を可愛いだなんて思えるのは俺だけだ。

カカシの弱い部分を揺さぶりながら、
「どうして今日は抱かれたくなったんですか?」
と訊ねると、汗ばんだ顔を上気させながら
「んっ……服、」
「服?」
「似合うって…聞いたときっ、かっこいいって……言ってくれなかったから、イルカに飽きられたのかとおもって……」

はぁ……もぉ………。

カカシの腰を指が食い込むほど掴んで、腰を速くする。
「俺がっ……一番カカシさんを、かっこいいと思うのは、俺を抱いてる時のアンタのエロい顔だよ……ッ!」
目を見開いて驚いてるカカシに陰茎の根本を締め付けられ俺は中で達した。
射精後の気怠さでカカシの身体に覆いかぶさると、ごろりと上下の身体を入れ替えられた。
え…?と下から見上げると、さっきまでの自信の無さはどこへやら。
ギラギラしている目がこちらを見下ろしていた。

「せんせにいっぱいかっこいいところみせてあげるね」

【終わり】
  • レピドプテラ
ご投稿ありがとうございます!鼻チャック!旬の話題!
そして甘えん坊のカカシさん可愛いです。イルカ先生にバレてるのも、仲良し度が高くて好きです。
素敵なお話、ありがとうございました!
  • ジュゴン
レピドプテラ様
消そうと思ったら、まさかの感想コメントを頂きヒャッ!と飛び上がりました( ;∀;)感想ありがとうございます。
追記して(むりやり)完成させました。
  • レピドプテラ
あっ!続きが///
ありがとうございます、ありがとうございます!
大遅刻。その上全然2Hじゃない。
主催が企画破ってどうするんすかね。すみません。
お題は『なぞる手つきの温かさ』です。高井田さんと被っててすみません。
推敲できてないので、日本語変だったらすみません。すみませんばっかり。

みなさんの投稿も待ってます。待ってますうううううーーー!!!

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「あぅっ……くっ…あっ、あっ、カカシ、さ、あっ」
 薄暗い室内。書棚には忍術の学習書などが並べられ、壁には幼い子供が描いた絵が貼られている。
 イルカの部屋。
 入るなり、イルカをベッドに引きずり込んだ。
 後ろから片手でイルカの肩を押さえつけ、ただひたすら腰を振っている。
 温かく締まるイルカの中から引き抜けそうになるまで腰を引き、容赦なく叩きつける。肉を叩くリズミカルな音に、ずちゅ、ぐちゅ、と水っぽい音が混じっている。
 腹の奥の狭まりに亀頭を何度もねじ込むように腰を使うと、あっという間に、もう何度目かもわからぬ絶頂感が訪れた。イルカの中で、自身のそれがひときわ質量を増し、ギリギリまで怒張しているのがわかる。
「は、うっ……中で、出すよっ」
「や、待って、くださ、あっ、く、うっ……」
 ぐっと腰を押し付け、イルカの最奥に射精した。ビュルリと熱がほとばしるたびに襲う快感を、歯を食いしばってやり過ごした。
 未だ上下するイルカの背中を眺めていると、さっと心が冷え、おさまりかけた焦りが戻ってきた。硬さを失ったペニスをずるりとイルカの中から引き抜き、荒く息を吐きながらその隣にどさりと倒れ込んだ。
 しばらくすると、ようやく息を整えたイルカがごろりと寝返ってカカシのほうを向いた。
「今日はえらく荒れてますね、何かあったんですか?」
「……別に、何も」
 イルカの労わるような声色がいたたまれず、枕から顔を上げることができなかった。



 昼時、珍しい場所でイルカを見かけた。
 自分の裁量で動ける戦忍のカカシとは違い、昼休みの時間が限られているイルカは、余程のことがない限り、昼にアカデミーを出ることはない。
 だが、いた。
 カカシは上忍待機所でアスマと紅に誘われ、昼食を食べに外に出ていた。そこで何気なく目をやった店の中でイルカが食事していたのだ、女と二人で。
 淡い栗色の髪を高いところで結った、色の白い女だった。気配から察するに上忍だろうか。カカシの知らぬ忍びだった。
「ねぇ、あれ誰?」
 カカシが問うと、アスマがカカシの視線の先をちらりと見て言った。
「ああ、久しぶりに見たな。ありゃイルカの彼女だ。確か二年くらい任務に行ってたんじゃなかったか」
「二年半よ、でもとうとう帰ってきたのね。待ち遠しかったでしょうねぇ、イルカ。仲良かったから」
「そうなの?」
「ああ。なにしろイルカが惚れ込んでたからな」
「ええ。もう夢中って感じだったわよね」
 店のガラス越しに見える二人は穏やかに微笑み合っていた。言われてみれば確かに、恋人同士の甘い雰囲気が漂っているように感じる。
 そうか、イルカには恋人がいたのか。
「……そっか」
 突然突き付けられた現実に、カカシは咄嗟に心を閉ざした。そうでもしないと、自分を保っておけそうになかった。
 カカシは二人から目をそらし、後は黙ってアスマと紅について行った。何かを食べたのだろうが、何を食べたかも、どんな味だったかも一つも覚えていない。ただ、指先が冷えて、箸を持つ手が震えそうになるのを、必死で隠したことだけ覚えている。
 そこからどうやって時間をつぶしたのか、夕方、イルカを待ち伏せし、アカデミーから出てきたところを捕まえた。
「ねぇ、今夜さ、セックスしようよ」
 腕を掴んで鼻先でそう言うと、イルカがたじろぐのがわかった。
「ちょ、カカシさん、こんな往来でいきなり何を……」
「いいじゃない、オレたちってセフレでしょ。セックスしたいから誘ってんの」
「は? いやオレ、今夜はちょっと――」
 断りの言葉に女の影がちらつき、カカシは常になく苛立った。
「ダメだなんて、言わせないから」
 そう言って印を結び、瞬身を使ってイルカの部屋に飛んだ。



 昼間の光景が目の裏に浮かび、胸が締め付けられた。
 カカシがイルカに近づいたのは、明らかな恋情を自覚したからだった。二年前のことだ。しかし、イルカがあっさりと体を明け渡してくれたから、カカシはそれに胡坐をかいていた。今日、それに気づいた。
(オレはバカだ)
 二年間、オレはあんたに何をした。二年もあったのに、気が付けばオレはあんたの体しか知らない。付き合ってほしいとも、好きだとも言わなかった。恋人らしいことすら、きっと一度もしたことがない。オレのものになったんだって浮かれて、オレはあんたになにもしてやらなかった。オレがバカだったせいで、あんたがあの女のところに帰るのを、指をくわえて見てなきゃならないのかもしれない。そんなこと絶対に許さない。でも、イルカがそれを望んだら、オレはどうしたらいいんだろう。
 ぐう、とカカシの胸に苦いものがこみ上げ、震える手でたまらず枕を掻き抱いた。
「カカシさん、何もなかったにしてはずいぶん辛そうですよ。大丈夫なんですか?」
「……イルカせんせ」
「ええ、ここにいますよ」
 カカシが顔を上げると、イルカが柔らかく微笑んでいた。
 イルカの手がカカシに伸び、そっとその背を撫でた。
 分厚くて、爪が丸くて、温かな、カカシの好きなイルカの手。
 この温かな手で、あの女の背も撫でるんだろうか。愛撫するんだろうか。その低くて心地よい声で、あの女の名を呼び、あの女の中で果て、ずっと待っていたと、愛していると、言うんだろうか。
「イルカ……」
 手を伸ばすと、ぎゅっと抱き寄せられた。
「もう、泣きそうな顔してますよ」
「……ねぇ、オレを抱いてよ」
 あの女にするみたいに。あの女をどうやって抱くのか、オレに教えてよ。
「はぁ?」
「いいじゃない、オレたちセフレでしょ」
「本当にどうしちゃったんですか? 無理しなくていいんですよ、今日はもう休んだほうがいいんじゃないですか?」
「もっとしたい。でもオレ疲れたから、イルカ先生が腰振ってよ」



**

「くっ……は……」
 見下ろした白い胸板が赤く染まっている。長い脚を片方肩に担ぎ、イルカが腰を打ち付けるたびに、カカシの口からこらえきれない喘ぎが漏れた。
 油断すると、イルカの後口からは先ほど散々カカシが放ったものが、どろりと垂れ流れてくる。その心もとない感覚と、カカシの中から与えられる刺激に、今すぐにでも持っていかれそうだった。
 カカシは両腕で顔を隠し、ただ苦痛に耐えているように見える。
「……っ、カカシさん、大丈夫、ですか?」
 上がる息の中、努めて冷静に言った。
 挿入前に、丹念にほぐしはした。だが、この感じはもしかして――
「あなた、抱かれるの、初めてなんじゃ……」
 だが、荒く息をつくだけで答えないカカシの腕を掴んで引きはがし、顔を覗き込んだ瞬間、イルカの理性がはじけ飛んだ。
 カカシは苦痛に耐えているのではなかった。イルカを見上げた目は潤み、眉根は悩ましく寄せられていた。カカシは快楽に押し流されまいと耐えていた。
「っ……カカシさんっ」
 イルカはたまらずそのまま覆い被さって、カカシを抱きしめ、抉るように腰を突き動かした。
「うぁっ……あっ、あっ」
 イルカの耳元を、カカシの低く控えめな喘ぎがくすぐるのがたまらない。
 容赦なく腰を叩きつけ、一気に上り詰める。
「は、カカシさ、も、イク」
「ふ、イルカ、中で、出して、出し、なよ」
 低く掠れた声で、カカシがそんなことを言った。
「も、あんた……っ」
 イルカはがばっと上体を起こして噛みつくようなキスをし、そのまま果てた。

 汗で湿った銀色の髪を撫でる。カカシはぐったりした様子で目を閉じていた。
(さすがにやりすぎちまったかなぁ、抱かれんの、初めてっぽかったのに)
 さばけた台詞とは裏腹な必死な顔で誘うから、どうにも我慢がきかなかった。カカシがあんな顔をするなんて知らなかった。
 だが、カカシにそうさせたのは自分だということをイルカは知っている。昼間、二年半ぶりに会った昔の彼女といるときに、カカシの気配を感じたからだ。その気配が明らかに動揺していたから、彼女とはもうきっぱり切れていると、近々フォローを入れておかないとと思った途端にこれだ。
(何がセフレだよ)
 そんなこと、今まで一度も言わなかったのに。
 確かにこの二年間、二人の間に甘い言葉はなかった。だが、甘い時間がたっぷりあったじゃないか。この調子じゃ、カカシは自分がどんな顔をしてイルカを抱いているのか、きっとわかっていない。イルカの体をなぞる手つきの、どれほど温かいことか。それが愛じゃないのなら、一体何が愛だというのだろう。
(大体なぁ)
 おもむろにカカシの鼻をつまんだ。すると程なく、カカシの口が苦しげに開き、はぁ、と息が吐かれた。鼻から手を離すと、なにやら小さく不満げな声を出し、再び寝息が聞こえてくる。
(オレなんかの横でこんだけ油断してるのが、何よりの証拠じゃねーか。何したって起きやしねぇ)
 すやすやと眠るカカシを眺める。
 整って精悍な顔立ち、喉が隆起した首、筋張った手、長い指、無駄も隙もない体、投げ出された長い脚の付け根には、萎えていてもバカみたいに立派なペニスがぶら下がっている。誰がどこからどう見ても捕食者なのに、イルカに対してだけ、いきなり弱気になるから困る。
(この人、オレに翻弄されまくってる自覚、もしかしてないのか?)
 はぁ、と大きなため息が出た。
「オレがあんたのこと好きなんだって、なんでそこに自信持たないんですかね。好きじゃなきゃ、いくらなんでも男なんかと寝ませんよ。二年だぞ、わかってんのか?」
 呟いて鼻をつついたら、再び不満げな声が漏れた。
「まぁ、あんたは恋なんて、今まで知らなかったんだろうけどな」
 幼少のころから戦場に身を置いてきたカカシは、特に長じてからこっち、他人と腹を割った関係などほとんど構築したことがないだろう。いわんや色恋をや、だ。
 閨の技術ばかり器用な、不器用な男、それがカカシだった。
「でもいいですよ、オレが教えてあげます」
 なんてったって、オレは先生だからな。
 そう呟きながら、イルカはカカシを置いて、そっとベッドを抜け出した。
 明日までに終わらせないといけない採点が山のように残っている。それを持ち帰ったから、今日は来るなと言いたかったのに。
「シャワー浴びないと始まんないな……」
 互いのいろいろな体液でベタベタする体を撫で、同じくベタベタしているであろうカカシを振り返った。
「カカシさんは……まぁ、ほっとこう。起きて自分でなんとかしてくれ。オレは朝まで忙しい」



**

 パタリ、と寝室の扉が閉まった途端、カカシがはぁと息を吐き出した。
 薄暗い天井を見ているうちに、じわじわと顔に熱が集まってくる。たまらず両手で顔を覆い、ごろりと一つ寝返りを打った。


毎回遅刻の高井田です。
「企画した側が不参加だったり、毎回遅刻してる…」という、極めてゆるゆるな募集ですので、良かったらお付き合いいただけますと泣いて喜びます。



なぞる手つきの温かさ

自分で言うのもどうかと思うけど、小さい頃からモテる方だった。
幼児期から思春期頃までは、好意のこもった目線だろうと好奇の目だろうと違いはなく、一律で煩わしい物だと思っていた。
思春期に差し掛かった頃には、それに輪をかけて弊害とも言える「あの子がお前を好きだ」といった俺をトロフィーとした争いが増えて、正直恋愛を楽しむ前に恋愛にまつわるいざこざで辟易していたから、恋愛なんてクソ食らえと適当に付き合ったのがイルカ先生だ。
馴れ初めというか、きっかけは本当に適当だ。
飲み会の席でたまたま俺の前に運ばれてきた鰻をイルカ先生があまりに物欲しそうに見てたから、同じものを頼んだだけだ。
いたく鰻の美味さに感震した先生が「こんなウマイものを躊躇うことなく他人に与えられるとは素晴らしい」などと宣い、改めて運ばれてきた2膳目にやるとも言ってないのに勝手に俺の分まで食いきり、「あなたにならば殺されてもいい」などと物騒な事を言うに至り、適当に聞き流していたら適当に誰かによってくっつけられ、イルカ先生も適当にかわしたものの逃げられなかった。
だから別に何てこともなかった筈だし、酔いが覚めたら終わりと思っていたのが、腐れ縁とでも言うのか切れることなく続いている。


別に誰でも良かったとか以前に、俺も先生も付き合うつもりなんかはこれっぽっちもなくて、でも飲み会で周りが勝手に盛り上がったせいでか、なかなかどうにもならなくて。
まぁ噂なんて半月かそこらもすれば落ち着くでしょうと、人目を避けるために互いにそれぞれ家で飯を食ったりしていたら、それが余計にアヤシイだとかで、世間の噂で俺とイルカ先生は熱烈な相思相愛であり、食事は二人で隠れてしているだとかなんだかだそうな。
個食。
完全に俺と先生はお一人様。
お一人様がお互い自室に一人。
時間が被ってるだの、確かめた者がいないから否定はできないだとか、完全に悪魔の証明となっていた。
まぁ、周りも暇だったんだろう。
何をしても何をしなくても俺と先生は付き合ってることにされるんだから、諦めて外で顔を会わせれば飯くらいはいくようになった。
そして周りの無理矢理な態度に愚痴ったり、笑ったりとしているうちに、まぁ週末ですし家で一杯となり、それが平日にもなり、嫌ではないなと気がついたら世間の恋人というナニカシラは一通りこなした。
これは俺が抱く方だから?と、役割を入れ換えてみても何故か不思議と違和感もなく、お互い気が向いた時に気が向いた方でボチボチと営んでいる。


「せんせ里外任務ったって、アカデミーの遠足じゃないですか」
「里に出れば里外任務です。それに子供なんて一瞬目を離した隙にとんでもないことをしでかすから、結構大変なんですよ」
里外任務に出た相手を労るために、帰還後の最初のセックスは里外任務者の希望が優先される、なんて俺が外に出る方が圧倒的に多かった時代は既に過去。
火影となった俺は外遊こそあれ、それは長期になる事も多くて、今更ながらこのルールに若干不満である。
どれだけ遠くで長期だろうと、二時間ばかりで帰ってこられる隣町への使いっ走りだろうと、里外は里外であり、一回は一回だ。
「ずるい」と不満を漏らしたところで、過去の俺だってそうしていたんだから、仕方ない。
俺の上で汗を滴らせながら、「ルールですから」と楽しげにのしかかってくるイルカ先生の頬へ歯形を付ける。
くつくつと先生が笑うものだから、俺の中に入った先生が小刻みに揺すられて気持ちがいい。
気持ちがいいのと、抱かれる回数が一方的に増えることへの不満を秤に乗せてみたら、若干不満に傾きつつあるものの、どうしようもなく愛しげに見つめてくる黒い目のせいで「しょうがないか」と諦めが来てしまう。
最初の頃の不安げな眼差しはすっかりと成りを潜め、当たり前の顔をして俺へと触れる手指の熱に、こんな付き合いも悪くないなと抱き返した。

※付き合ってない
  • レピドプテラ
付き合ってないの!?って、最後にマジで声が出ましたwww
最高です、ありがとうございます。絵文字入れられないの、意外とつらいですね。涎垂れたいです。
同軸リバ、素敵な企画ですね!主催者様方に感謝です。
ssを書くことも、掲示板に書き込むことも不慣れですので、心臓が飛び出そうですが、この素敵な企画に参加したいの一心で送信ボタンを押したいと思います。

遅刻の上、2時間以上かかっています。趣旨に添えずに申し訳ありません。でも次のお題までに書けれてよかったです。



お題「セフレの別れ話で媚薬」



 カカシは、目が覚めると病院の天井が一番最初に見えるっていうシチュエーションには慣れている。更に付け加えるなら、体がひどく重く、血液が鉛になって重力に従ってベッドへ埋められたんじゃないかってくらい体が動かない症状にも慣れたもんだ。
(ああ、またやっちゃった。)
チャクラ切れには気をつけているのに、何故かこうして倒れていることが多々ある。他のことなら一度犯した失敗は二度はないと胸を張って言えるのに、これだけは何度も繰り返してしまう。
 目線を周囲へ移すと、見慣れた鞄が置かれていた。
(イルカ先生、もう行っちゃったか。)
 それは所謂入院セットで、お着替えセットにちょっとした雑貨と現金にイチャパラ全巻が入っている。以前は病院のお仕着せの下着とパジャマを使っていた。パジャマは使用後回収されて洗って使いまわせるけど下着は当然買取だ。一週間いれば七セット溜まることになり、カカシの家には一か月分は同じ下着セットがあった。イルカがカカシの家で同じパンツばかりなのを見つけて呆然としていた時に説明したら、その場でゴミ袋に入院セットを作られて、次に入院したら、これ持っていきますんで、と言うことになった。ゴミ袋ではあんまりなので、適当な鞄を買い求め、入れ替えて今に至る。
 何故、そこまでしてくれるのか。カカシはイルカとの関係を友達だと思っている。間違えてセックスしちゃったけど、恋人を作るつもりはなかったし、関係を切り捨てるにはイルカのことが好きだった。何故かセックスの回数は増えていき、気づけばセフレのカテゴリーだと気づいたのは最近だ。体を繋げた分だけ、友人よりも気安い関係になったのだろうか?
(いや、だって、先生の近くにいると勃ってきちゃうから。)
 イルカがどう思っているかは知らないけど、カカシのことを気持ちよさそうに受け入れてくれるし、避けられたこともないから、問題はないのだろう。
 その後もうつらうつら、半覚醒と睡眠を繰り返し、空が暗くなった頃、人の気配でしっかりと目が覚めた。
「あ、カカシさん、起きられましたか?」
「…イルカ先生?」
喉がくっついて声がうまく出ないのを察して、ストローを入れた紙コップを出された。確かそれらも入院セットに入ってたやつだ。
顔を気持ち傾けて吸い付く。あー美味い。生き返る。
「ありがとね。助かる。」
「ふふ、大袈裟ですよ。水汲んだだけです。」
イルカの声は耳障りが良い。
「いや、本当に感謝してるのよ?ただの友達にこんなに甲斐甲斐しくしてくれるの、イルカ先生だけだもん。」
「…え?」
あれ?想像してた反応が返ってこない。イルカの方を見ると、ひどくびっくりしたと言わんばかりの呆け顔をしていた。
「いえね、ほら、アスマなんて見舞いにも来ないし。友達って少ないからよくわからないけど、先生には本当に良くしてもらってるなって…。」
ああ、何かを間違えた。イルカがどんどん青褪めていって、言葉を重ねた分だけ、悪い方へ向かっていった。
「俺は、カカシさんにとって、友達でしたか。」
カカシは必死で頷いた。何故、彼が怒っているのかわからない。脳みその血の流れが遅すぎて、どうすれば良いのかも思いつかない。
「カカシさんは、俺のことをセックス込みの友人だと、そういうことなんですね?」
だって、そうだろ?なんか怒らせてしまって、悲しい。今日はもう帰ってくれないだろうか。
「…今日は、これで帰りますね。後は看護師さんにお願いしときます。」
思いが通じたのか、すんなりと帰ってくれた。
(よかった、起き抜けに怒鳴られるのは勘弁。)
ちょっと人恋しいけど、その時はそんなもんだった。

 翌日、身体は昨日よりはマシだけど、まだ起き上がって歩くことはできないし、チャクラも上手にまとめることができない。そんな状態の時に、イルカはやってきた。しかも、何だかとてつもない決意を秘めた様で。
「…今日は、イルカ先生」
「今日は。」
にっこり笑うが、いつもより硬くって、いっそう何が起きるのかとドキドキした。
「今日お尋ねした訳は、ちょっとセックスしたくなりまして。」
(-はあ?今、セックスしたいって言った?)
何が起きようとしているのか、カカシは怪訝な顔をして応える。
「…はあ、ただ、生憎今は勃ちそうにありませんが…」
「そうですか、でも大丈夫ですよ。俺は勃ちますんで。」
イルカが悪い顔でニカっと笑った。あ、これってナルトが変なイタズラする時の顔だ。悪い予感しかない。
「ねえ、もしかして俺がイルカ先生に挿れられるの?」
「そうですよ。俺が挿れるんです。」
そろっとズボンに手を突っ込んで尻を撫でながら挿れる場所を突っつく。
(なんてこった!なんでそうなるの?)
カカシのあまりの戦慄具合に、イルカはちょっとビビらせすぎたか、と幾分声を柔らかくして言った。
「ちゃんと気持ちよくなる軟膏もあります。綱手印なので大丈夫なはずです。」
そういう問題じゃないことくらいイルカだってわかってるけど、止めるつもりはないのでそのまま軟膏を尻穴に塗り込んでいく。
「いや、えっ?あのっ?綱手様公認なの?」
「恋人だと思ってた人からセフレ扱いされてやり返したいって言ったら、快諾して、薬までくれました。」
力の入らない身体なのもあってか、順調に穴が緩んでいくのがわかった。
 (俺の護衛は何やってんだ!)
潜んでいそうな所に目をやるが、何も変わらない。イルカがそれを見て更に爆弾を落とした。
「あなたの護衛してる暗部さんには爛れた関係の痴話喧嘩だから、見逃してほしいって言ってあります。身体チェックも受けました。」
「身体チェックって…脱いだの?」
「脱ぎました。」
「見られながらセックスすることになるよ?」
「全部承知済みです。」
「…ナルトだってそこまで捨て身の悪戯はしないと思うよ?」
「ナルトの話はしないでください。」

 カカシは観念した。
これまでは、挿入する方であれされる方であれ、チャクラ切れの時に襲われたって暗部の護衛がいたし、後日ちゃんと落とし前をつけさせてもらった。
 しかし、相手がイルカならば何処に落とし所を着けるのかもわからない。
(護衛も綱手様も覚えていろよ。)
イルカは無理でも彼らには、何らかの落とし前をつけさせてもらおう。カカシは心に誓った。

暗転

「はーーーーー」
「…終わった後にため息とか、失礼ですよ。」
イルカは特に後戯することもなく、自身からスルッとゴムを外して鞄の中のゴミ袋に入れてるらしい。次いで温かい濡れタオルを作り綺麗に清め拭ってくれる。もう恥とかは無い。
(別に…看護師にも拭かれているし。)
「…先生、上手だね。」
「でしょう。」
「セックスのことね。」
手が止まって顔の表情筋も固まっているイルカの顔が、急に赤くなった。
(よし、一矢報いた。)

 お互いの身なりが整うと、イルカはセックスした後なんて思えないくらいあっさりと部屋から出て行こうとして、またうつらうつらしていたカカシの布団を整えながら言った。
「これでセフレの貴方とはお別れです。これに懲りたらチャクラ切れなんて起こさないことですね。俺と恋人になれそうになったら、また声かけてください。」
(半分眠ってる相手に、大切なことを言うって、どういう神経をしてるんだ。その前にフラフラの病人になんて無体を働くんだ。)
 言いたいことは山ほどあったけど、結局カカシは、自分がイルカのしたことには目を瞑るってことを知っていたし、なんなら、イルカが挿れたい日はまたそうしても良いとも思っていた。あとはそこまで想う相手が、セフレカテゴリーであることに間違いと気づくだけで、二人はきっと恋人になれる。
  • レピドプテラ
ご投稿ありがとうございます!
切ない!切ない~~、先生、切ない。
でもカカシさんが間違いに気づいてくれそうで、ハッピーエンドの予感、良かったです!
あっさり先生の側に付く、暗部と綱手様、気持ちわかります!
不慣れとはとても思えない面白いお話、ありがとうございました!
同軸リバを書くのは生まれて初めてです。よろしくお願いします。
お題は『花見しながら温泉えっち』で書かせて頂きました。
素敵な企画をありがとうございます!

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桜の下にて



「うわぁ…本当に山が桜色に霞んで見えますね!綺麗だなぁ…」

 到着したばかりの宿の、部屋の窓から見える景色に、イルカは頬を紅潮させている。

「流石、諸国を旅してきた綱手様一押しの宿だね。気に入った?」

 カカシが問うと、イルカは「はい!」と頷いて、「綱手様へのお土産は、何か良いお酒にしましょうね」と微笑んだ。


 世界の命運をかけた忍界大戦が終わってから一年。カカシは書類の書き方から他国との交渉術、口うるさいご意見番の機嫌の取り方や、調子のいい国主達との付き合い方etc、etc…火影としてのノウハウを、綱手に叩き込まれていた。そうしてある日、綱手が「さて、これがお前に教える最終事項になるが…」と前置きして言った。

「火影になったら、のんびり休める日はなくなると思っておきな。これから忍びの世界は大きく変わる。いや、変えていかねばならん。それこそ寝る暇もなくなるだろう。だからその前に、お前に三日休みをやろう。お前、今までも忙しくて、イルカとゆっくり過ごしたことがないだろう?イルカにも休みをやるから、二人で骨休めしてくると良い。そうだ、湯の国なんかいいぞ。あそこは今桜が見頃だしな」

 イルカとの関係は、当時の厳しい状況を考えて、大っぴらにはしていなかったのだが、そこは流石火影というべきなのだろう。すっかり見抜かれていたことに、少々気恥ずかしさを感じながら、それでも自分たちのことを思いやってくれる彼女に感謝し、カカシは有難く、忍びになって初めての三日間の休みを取った。そうして、二人は今、湯の国にいる。


 湯の国は、今桜が満開だ。国を囲む山々も、街並みも、桜色に彩られている。
 二人が泊まる宿は、あまり有名ではないが、知る人ぞ知る良宿なのだそうだ。貸し切りの露天風呂が売りで、和風の庭の中に温泉が引いてあり、少し熱めの湯で体を温めながら、四季折々の花を楽しむことが出来る。
 今は丁度桜の季節で、二人の部屋からも、柵の向こうの枝垂桜が見える。

「カカシさん、早く入りましょう!」
「えぇ?まだ昼間ですよ?」
「昼の桜も夜桜も楽しみたいじゃないですか」

 流石風呂好きで通っているだけのことはある。最低二回入るのは決定かと、カカシは小さくクスリと笑った。



 互いの体などすっかり見慣れているはずなのに、なぜかイルカが顔を赤くして俯いている。

「せんせ、どしたの?」

 カカシが近付くと、イルカは「あ、いや、その…」と、ますます顔を下に向けて、とうとう、白い湯と顔が平行になる。

「下ばっかり見てたら、せっかくの桜が見えないよ?」

 イルカの顔を覗き込むようにしてカカシが囁くと、イルカがぽそりと言った。

「いえ…カカシさんが、綺麗で…」
「…けっこう傷だらけだけどねぇ」

 実際、カカシの体には小さな傷痕がたくさんついている。オビトと戦った時に付いた大きな十字の傷も、くっきりとカカシの胸に残っている。
 けれど、イルカは首を横に振った。

「カカシさんは、綺麗です」

 少なくとも、イルカは本気でそう思う。色白なカカシの肌が、今は湯で温もって桜色になっていて、色香さえ感じる。
 カカシは少し首を傾げて、それから青灰の目を微かに細めた。

「せんせ、オレのこと、抱きたいって顔してる」

 イルカは驚いて顔を上げる。カカシは微笑んでいる。イルカを揶揄っているわけではないようだ。
 カカシは言った。

「いいよ。イルカ先生になら抱かれても。今まではオレが戦闘に出ることが多かったから、あなたが抱かれてくれてたけど、オレ、あなたに抱かれるの、嫌じゃないよ」

 先生なら優しくしてくれそうだし、というと、イルカは小さく眉を寄せた。

「それ、誰かと比べてます?」

 カカシはきょとんとして、それからクスクス笑った。

「心配しないで。オレ、処女だよ。まあこんな見てくれだからね。若い頃は変なのが寄ってきたこともあったけど、返り討ちにして使い物にならなくしてやったら、誰も寄って来なくなった。だからね、先生が初めて」

 何を、とは聞かなくても分かった。相当痛い目に遭ったのだろうその『変なの』に、イルカは少しだけ同情して、けれど同時に喜びを感じた。

「…いいんですか?」
「いいよ。…来て、せんせ」

 誘うように両腕を広げたカカシを、イルカは、はじめは恐る恐る、けれどやがてしっかりと抱きしめる。
 イルカの唇が、カカシの白い首筋を這い、胸元を吸う。チュ、と音を立てて唇が離れると、仄かに朱い跡がそこに残った。
 イルカは、カカシの唇に口付けし、手でカカシの胸をそっと撫でる。微かな尖りを指先でなぜると、カカシの体が僅かに跳ねる。歯の隙間から舌を挿し入れ、柔らかな口腔を探ると、吐息の合間に甘く掠れた声が零れた。
 カカシはそのままイルカに跨って、二人の芯をピタリとくっつける。イルカのそこは、既に熱をいっぱいに孕んで、硬く勃ちあがっている。

「せんせ…興奮してる」
「そりゃ…好きな人を抱けるんですから…興奮するに決まってるじゃないですか」

 言わせんで下さいよ、と困ったような顔をするイルカに、カカシはクス、と小さく笑った。

「嬉しい。…ね、早く先生のコレ、頂戴」
「慌てちゃダメですよ。ちゃんと解さないと」
「優しいね」
「あなたも、いつも俺に優しくしてくれるでしょう?俺だって…優しくしたいです」

 そう言って、イルカは指先でカカシの尻の間を探り、カカシの蕾に触れる。そうして指先を、ノックするようにそっと押し当て、ゆっくり、ゆっくりとカカシの中へと指を挿し入れる。
 湯のぬめりが手伝って、そこは存外スムーズにイルカの指を受け入れた。イルカは、いつもカカシが自分にしてくれるように、慎重にそこを解しながら、カカシの悦い所を探す。だが、なかなかカカシのようにはいかない。

「辛くないです?」
「…っ、ん…だい、じょぶ…。ね…もう、指、増やしていいよ」

 イルカは躊躇いながらも指を増やし、ゆっくりと抜き差しする。その動きにカカシの体がヒク、ヒクと応える。カカシの頬は、いつになく上気している。湯のせいばかりではないだろう。
 カカシは桜色に染まった頬を、ゆったりと緩めて笑む。

「イルカ先生、雄の顔してる。せんせのそういう顔…すっごく、そそるね」
「だといいんですが…」
「ホントだよ。オレ、せんせのその顔だけで、達っちゃいそう…」

 カカシの吐息が熱い。抱いているのに、俺の方が喰われているみたいだとイルカは思う。それでもいい。どっちだっていい。この愛しい人と体を繋げ、一番無防備な姿を曝け出して、溶けあって。
 やがてカカシのそこが、難なくイルカの指を受け入れられるほどに柔らかくなる。ああ、早く繋がりたい。
 イルカが硬くそそり立った芯を、カカシのそこに宛がうと、カカシは自ら腰を落として、イルカのそれをすっかり飲み込んでしまった。カカシに締め付けられる感覚に、イルカは小さく呻いた。カカシもまた、掠れた声をあげる。

「…っ、ふ…ァ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「ん…気もちぃ…」

 そう言って、カカシは自ら腰を揺らす。まるでイルカの精を吸い上げようとするように。カカシの後ろに見える満開の枝垂桜と相俟って、まるで桜の精のようだ。

「ね…せんせの、ちょうだいよ」

 カカシが、妖艶に微笑む。ああ、やっぱり俺が喰われるのか。
 そういえば、桜の下には人が埋まっているという。人が桜に取り込まれるように、俺もこの人に取り込まれるのか。
 そうしてこの人の奥深くに入り込んで、絡み合って、ひとつになれたなら。

「ええ、あげますよ。全部」

 カカシが、嬉しそうに目を細める。
 二人の唇が、深く、深く、重なった。

  • レピドプテラ
ご投稿ありがとうございます!
昼日中の屋外だと思うと燃え滾りました、えっち!
穏やかで温かな二人の愛を感じました、末永く幸せに暮らしてほしいです。
ありがとうございました!
初めてこういう企画に参加させて頂きました。何か変なことしてたらごめんなさい!
とても楽しかったです。ありがとうございました!!

"セフレの別れ話で媚薬"
  • レピドプテラ
うおおー!画像投稿ありがとうございます!
先生の必死さが伝わって、切ないしエロいし、もー滾りました///
よかった、企画やってよかった(主催と言っても手伝っただけなんですけど)、ありがとうございます!
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