- ジュゴン
- 返信
昨夜うとうとしながら書いたので、後で消したくなるかも知れません。
薄目で読んで頂けると幸いです。
└追記しました
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お題『なぞる手つきの温かさ』
「ただーいま」
「おかえりなさ……え?カカシさん、どうしたんですか?その格好」
帰宅したカカシが台所に来る気配がして、鍋から視線を上げたイルカは、外出した時と違う服装のカカシに声を掛けた。
外出した時は通常の忍服と口布で出かけたカカシが、口布の代わりにチャックが胸元から鼻の頭まである茶色のインナーを着て、その上に忍服のベストみたいに胸に沢山ポケットがある黒いパーカーを着て帰ってきた。
「今日はね、子供達と今度新しく出る服のスチール撮影だったの」
「サクラが前から楽しみ〜って騒いでたやつですよね?えっ?撮影した時の服のまま帰ってきちゃったんですか?」
「撮影終わった後にくれたんだよー、宣伝にもなるから着て帰って欲しいって。」
手にした紙袋の中の忍服を見せながら、困った顔で恥ずかしそうに眉を下げている。
「そうでしたか、お疲れ様でした」
ん、と返事をしながらチャックを下げたカカシの鼻の頭にはチャックの跡がついている。
「どう?この服似合う?」
「素顔のカカシさんが一番素敵ですよ」
イルカがチャックの跡を指でなぞると、カカシがくすぐったそうに笑った。
イルカはファッションに疎いし、ファッション雑誌も買わないし、今流行ってる服も知らない。
休日も動きやすい忍服で出掛けることが多いし、インナーや忍服はストックとして多めに持っていたが、私服は数着しか持っていなかった。
どうやら今年、木の葉ではストリート系が流行るらしい。
◇◇◇
先に風呂に入りベッドに潜り込んだイルカは、かすかに聞こえてくるシャワーの音を聞きながらカカシの口布のことを考えていた。
寝る時に抱き枕やぬいぐるみを抱いて寝たり、毛布や布団を口元に掛けて寝る人は甘えん坊だと聞いたことがある。
ずっと口布してるカカシさんて…ものすごく甘えん坊なのかな……
いや元暗部の名残だろ……
布団の中でカカシが風呂から出てくるのを待ちながらうつらうつらしていると、ようやく風呂からあがったカカシがベッドに潜り込んで来た。
イルカの背中にくっついて腕を回し、首筋にチャックの跡が消えた鼻をこすりつけてくる。
「…ね、せんせ?もう寝ちゃったの?」
「ぐーぐー」
「ふはっ、寝ちゃってるね」
「ぐーぐー……起きてると何かいいことありますか?」
回した腕がイルカの股間に伸ばされる。
誘うように手がゆるゆると動いて気持ちいいと思いながら、眠気で回らない頭で抱き枕は俺かぁ……やっぱりカカシさんは甘えん坊だ……なんて思っていると甘い声が囁く。
「ね、せんせ…まだ寝ないで…」
向かい合う様にイルカが寝返りを打つと、ぎしり…とベッドが音を立てた。
カカシの目に性欲の熱がちろちろと燃えているのを認めると、イルカはカカシの尻の割れ目に指を這わすようになぞらせた。
「今日は…ずいぶん長湯でしたね……中まで綺麗にしてたんですか?」
抱かれたい日だけ長湯だなんて、なんだかえっちですね。
耳元で囁くとカカシがぴくりと反応した。
カカシが温かくて大きくて気持ち良いと言ってくれる手で頭を優しく撫でながら、もう片方の手では煽るように尻を撫でさする。
カカシさんが俺に抱かれたがる時は、決まって何か不安な事があった時だ。
俺はもうカカシさんじゃないと勃たないのに、女性と呑んでいた所を見て勝手に「やっぱりイルカ先生は女の人が良いんだ……」と思い悩んだり(歓送迎会だよ!俺以外の人間も視界に入れろよ!)、
一緒に買い物に出掛けた時、少し離れた所に居た赤ん坊を抱いた夫婦を、じっと俺が見ていたのを「本当はイルカ先生、子供が欲しいんでしょ……でもゴメン、別れてあげられない」って苦しそうに抱きしめられたり(元教え子に気付いて、でっかくなったんだなぁ……!自分も年取るはずだ!ってしみじみ見てただけだよ!)。
その度に、イルカが女の人を本当は抱きたいんじゃないかって勝手に思い込んで、でも手放してあげられないから抱くならオレを抱いて……と身体を開くカカシになんと言えば安心させてあげられるのだろう。
カカシに抱かれるのが好きなのに。
カカシだから身体を許しているのに。
本当はアンタだって、俺に抱かれるより俺を抱く方が好きなくせに。
今日はいったいどんな勘違いをしているんだろう?
甘えるようにイルカの首筋に顔を擦りつけて、俺に身体の奥を揺さぶられて、慣れてないから苦しい筈なのに幸せそうに目元を赤く染めて俺を繋ぎ止められると思ってるなんて……。
俺がモテるなんて勘違いしてる奴なんてアンタだけだ。
アンタみたいな拗らせた甘え方をしてくる奴を可愛いだなんて思えるのは俺だけだ。
カカシの弱い部分を揺さぶりながら、
「どうして今日は抱かれたくなったんですか?」
と訊ねると、汗ばんだ顔を上気させながら
「んっ……服、」
「服?」
「似合うって…聞いたときっ、かっこいいって……言ってくれなかったから、イルカに飽きられたのかとおもって……」
はぁ……もぉ………。
カカシの腰を指が食い込むほど掴んで、腰を速くする。
「俺がっ……一番カカシさんを、かっこいいと思うのは、俺を抱いてる時のアンタのエロい顔だよ……ッ!」
目を見開いて驚いてるカカシに陰茎の根本を締め付けられ俺は中で達した。
射精後の気怠さでカカシの身体に覆いかぶさると、ごろりと上下の身体を入れ替えられた。
え…?と下から見上げると、さっきまでの自信の無さはどこへやら。
ギラギラしている目がこちらを見下ろしていた。
「せんせにいっぱいかっこいいところみせてあげるね」
【終わり】
- レピドプテラ
そして甘えん坊のカカシさん可愛いです。イルカ先生にバレてるのも、仲良し度が高くて好きです。
素敵なお話、ありがとうございました!
- ジュゴン
消そうと思ったら、まさかの感想コメントを頂きヒャッ!と飛び上がりました( ;∀;)感想ありがとうございます。
追記して(むりやり)完成させました。
- レピドプテラ
ありがとうございます、ありがとうございます!