皆様の投稿がとても素敵で、楽しく拝見しております!一般的にはちょっと変わった性癖だと思うのですが、ここはそういう人の集まりで、そういうお話ばっかりという、夢のような企画で、主催者様方に感謝の言葉しかありません。
あと一回ですが、そちらも楽しみにしております。


『40代こなれたリバ!』

 いつもの角を曲がって、一軒家が見えてきた。イルカは半年ほど前にカカシと思い切って建てた家を感慨深く見た。カカシとは、20代から喧嘩もしつつなんだかんだで、既に10年以上の付き合いが続いている。これだけ続けば、もう家を建ててもいいかな、と思ったのだ。郊外に実家の土地もあったが、立地を捨てられずに本部に程近い住宅街に小さな家を建てた。一人でローンを組む予定だったのが、どこからかカカシにばれて共同購入と合いなった訳だ。カカシが3、イルカが1、と揉めた末に決着した数字は、イルカからしたら何とも情けない割合だけど、でもお陰様で借金することなく一家持ちとなった。
(俺たちの家でしょ?)
カカシに言われた一言が、とても嬉しかった。
 今日は金曜日。1週間の疲れが溜まった身体ではあるが、心は軽やかだ。まして伴侶であるカカシが、今日はご飯を作って待っていますね、と連絡をくれた。今日はイルカの誕生日で、別にだからと言うわけでもないと思うけど、やっぱり嬉しいし、期待してしまう。そわそわした気持ちを鎮めながら鍵を回して家に入った。

「ただいま戻りました。」
「ああ、おかえり。イルカ先生。」
カカシの犬たちもおかえりーと挨拶してくれる。それに応えつつ、手洗いうがい、着替えまでして、いい匂いの漂うキッチンに行く。
「良い匂いですねえ。今日のご飯は何ですか?」
既にダイニングテーブルには酢の物やら和物などが置かれていた。
「えっと、味噌汁と豚の味噌焼き、そこの野菜、デザートはフルーツポンチ作ってみたよ。」
正確には、豚の西京焼きサラダ付き、茄子の味噌汁、茄子の煮浸し、胡瓜と和布の酢和え、ほうれん草の白和え、白飯、フルーツポンチ、場合によってはまだ増えるかも、ってとこか、と目算する。
(今夜のことを思えば、どれくらい食べるかは重要だ。)
満腹になって眠りこけては目も当てられない。
冷蔵庫を開け、タッパーに彩りも美しいフルーツが蜜につけてあるのを横目に、ビールを2本出して、グラスと共にテーブルに置いた。
「先生も帰ってきたし、お肉焼いちゃうね。」
「あっ、俺も何か手伝います。」
「そお?じゃあお皿出して、レタスとトマト盛り付けといて?」
大きめの中皿を出して言われた通り盛り付ける。すぐに味噌の焦げる香ばしい匂いがしてきた。
「飯も盛っときます。普通で良いですか?」
「んー先生と同じくらい。」
「少なめだけど良いですか?」
「うん、それでお願い。」
(ってことはアレか、同じこと考えてるってことか。)
ちょっと恥ずかしいけど、そんなことは顔に出さずにご飯を付け、味噌汁もよそい、肉も出来上がり、ビールで乾杯して頂きますをした。

 食事はゆっくり2時間くらいかけて食べた。特に話したいことがあったわけでは無いのだけど会話は途切れなく続いて、気がつくと頂きますをしてから2時間は経っていた。
 その後イルカが洗い物を始め、カカシが風呂に行く。ご飯を作ってもらった方が洗い物をするルールで、その時間にもう片方は風呂に入る。昔から二人で食事を取った時はそうしてきたから、今更誕生日だからとか火影様にそんなこととかは関係ない。
「先生、誕生日おめでとう。遂に40代突入ですねえ。」
風呂上がりのカカシがほかほかの湿気を纏いながら、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲み始めた。
「はー遂に40代ですねえ、何にも変わってないですけどね。」
「それがさ、意外と変わるのよ、これが。」
「そんなもんですか、カカシさんは44歳ですもんね。」
なんでもないことを喋りながら、イルカは最後の大物のフライパンに取り掛かった。ここまでくれば、あと少し。
「そういえば、先生、今日はどうします?貴方は明日明後日休みだし、俺も緊急じゃないなら連絡するなって言ってあるんだけど…」
イルカは目線は金束子でフライパンを擦りつつ、ちょっと考えて言った。
「俺、先にさせてもらって良いですか?先にしてもらうと疲れちゃいそうで。」
カカシがニヤリと意味ありげに微笑む気配に、ふっと顔を上げるとやっぱり意地悪な顔をしたカカシがいた。
(何を今更。ご飯の量でわかってたことでしょうが。)
 再び目線を手元に戻し、フライパンを片付け、シンクを洗い最後に布巾で水気を拭き取って片付けは完了した。
 ゆったりと風呂上がりの水を飲んでるカカシに近づくと、ほっぺにチュっと音を立ててキスをして耳元で「ベッドで待っててくださいね。」なんて言うのも、アレだ、小芝居を楽しむ気なら言える。カカシも乗ってきて顎を片手で固定された。
「早く来てね、先生。」
なんて言いつつベロチューに移行しようとする。
「俺、まだ歯磨き前なんで。」
さらっと断って風呂に行けるのも、10年の功か。


この後、先生の風呂後、二人でイチャコラしながら2階に上がって、1回戦は先生攻め、2回戦はカカシさん、3回戦はカカシさんvs眠りかけの先生で、二人揃って仲良く就寝しました。
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